@ぷろろーぐ

なあく氏によるぷろろーぐです…

わたし、とこ! 見た目はふつーの女の子だけど、 ほんとはBSDの国からやってきたプリンセスなの!!

そんなある日、私は、いつもの様に人間界の事を勉強するために 日本橋に出かけたのです。

「きゃっ。ご、ごめんなさ…」

私は大きな…たぶん人だと思うけど…にぶつかってしまった。 ぶつけてしまった鼻が、ちょっと痛い。少しだけ目の前が滲む。

「大丈夫? 怪我はない?」

わたしの目の前には大きなお兄さんが屈んでいた。 やさしそうな顔。暖かいまなざし。

「え、ええ…。ごめんなさい、ぼぉ〜っとしてて…。」

私は、無遠慮にお兄さんの顔を見つめ続けていた事に気が付いた。 恥ずかしくて顔が熱くなる。

「僕の方こそごめん、気がつかなくって…。どう、立てるかい?」

その時、わたしは自分が地面に座り込んだままであることに気が付いた。 あわてて立ち上がろうとする私。お兄さんはわたしの手をやさしく握ると、 私が立ち上がるのを助けてくれた。大きくってやさしい手だった。

『お、お前はっ!』

そんな甘いまどろみの様な時間は、まるでTVアニメのキャラクターの様な 甲高い声に破られた。 いつのまにか、お兄さんの肩には10センチくらいのペンギン… いや、ペンギンっていうのはもうちょっと大きいはず…とにかく、 ペンギン状のものがいて、こちらを指さして叫んでいる。

「ぺ、ペンギンが…しゃべった?」
「ば、ばかっ! 人前でしゃべるやつがいるかっ!」
『で、ですがベンチ様。こいつは、BSDのプリンセス、とこですぜっ!』
「なにぃ!?」

お兄さんの表情が一瞬にして真剣なものへと変わる。

「え? え? あ、あなたは、いったい…?」
『貴様は、Linux国のベンチ将軍!』
「ちょ、ちょっと、でもちゃん!?」

今度は、私の肩に10センチぐらいの人形…どうやらこの世界では デーモンと言われるものらしいけど…が乗って叫んでいる。私のリュック の中から出てきたのだ。

「ゆ、油断とはこの事か…。まさか、プリンセスが直々に人間界に やって来ているとはな…。 まあいい、今日は挨拶ということでこの場は引こう。 だがな、次に会うときは容赦はせぬぞ。 では、また会おう! ふはははははははは!!」

笑い声とともに、お兄さん、いやベンチ将軍はつむじ風の中へと消えた。

『手強い相手だね…とこちゃん…』
「ちょっと、でもちゃん! これって…。」
『倒さなきゃならない…。奴は…ベンチ将軍は、ボク達のBSD国の敵だっ!!』

…どうなっちゃうの、わたしの初恋!?


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